はじめに
移動平均線の本当の使い方を書くきっかけ
今回は、私がトレードで主に利用している移動平均線の見方、使い方をご紹介していきます。
私の移動平均線に関する手法を、かなり突っ込んだところまで解説します。
長い・途中で難しいと思われるかもしれませんが最後まで付いてきてください(笑)
移動平均線の使い方を説明する前に、、、
なぜ、この記事タイトルにしたのか。
その理由を説明させてください。
私は、自分の勉強のためにも、いろんな投資サイトを閲覧しています。
立ち寄ったサイトで役に立つ情報もあれば、納得が行かない情報も往々にあります。
投資経験が浅い、本当は勝ててないんだろうな、ダマシにやられるパターンを書いてないな、等々…
先日、その中で私が見つけたのは、間違いなく投資未経験者が書いたであろう
「移動平均線の見方」と題した記事。
投資経験の浅い方が書いている中身が無いサイトは、気にしなければ良いと思うかもしれません。
ですが、それが本当っぽく紹介されているとしたら…?誰かが本気で読んで、信じて株式投資を始めたら確実に負けます。
やはり、ネット上にはいい加減な情報が多いものです。
私は年間100万稼ぐかどうかの弱小の兼業投資家で大きな事は言えませんが、以上の経緯から私自身の手法をもとに「移動平均線の本当の使い方」を書くことに決めました。
注意事項 読む前に
私の移動平均線の手法は今回説明する内容だけです。
非常にシンプルです。
私はこの移動平均線の手法で利益を出しますが、この使い方通りに行っても、あなたが勝てるようになるかは分かりません。
あなた自身の性格や投資手法にも依存するからです。
途中でよく分からないと感じたら、前提知識不足かもしれませんし、あなたに合わないからかもしれません。
目次
- 過去の綺麗なチャートだけ見るのは無駄
- 移動平均線が機能しないケースとの向き合い方
- 私の移動平均線の使い方
過去の綺麗なチャートだけ見るのは無駄
イマイチな書籍やネット情報によくあるのですが、
過去の綺麗なチャート、つまり、都合が良いチャートだけを見て、テクニカル指標が使えると解説してることが多いです。
都合の良いチャートだけを見て、「移動平均線は使える」と考えるのは辞めた方がいいです。
移動平均線の成功パターンだけを見続けると、想定したとおりの展開にならなかったときにどうすれば良いか分からなくなるからです。
移動平均線のクロスが機能する教科書的チャート
例として、ファナックのチャートから例を挙げていきましょう。
移動平均線のデッドクロスで空売りすると、
その後、ファナックは大きく下落しているのでかなりの利益になります。
そういうチャートを選びましたから当然ですね。
株式投資初心者が「移動平均線のクロスで勝てる」と信じ込ませるには十分な程の模範的なチャートの形です(笑)
移動平均線のクロスが機能していないチャート
しかし、実際には移動平均線のクロスは機能しないことが多々あります。
引き続きファナックのチャートで見ていきます。
移動平均線のゴールデンクロスです。ゴールデンクロスで買っても、利益を出すのは困難です。
緑で囲んだ後、天井に行くまでに下に振れてますから、そこで損切りするケースも十分に考えられます。
また、天井まで持ち続けたとしても、いきなりの移動平均線割れで損切りです。利益確定する根拠となるタイミングが見当たらないので、利益を出すことは難しいトレードです。
またまた、移動平均線のゴールデンクロスです。
こちらもゴールデンクロスで買っても利益を出すのは困難です。
19000円台の壁に押さえ込まれたと思ったら、2日後には大暴落です。
最後にこちらも移動平均線のゴールデンクロスです。
7月を底値に反発して18050円の天井をつけて下がってきている段階なので、
このタイミングで買うのは躊躇いがありますね。
移動平均線は反応が遅いので、トレンドに対してやや遅れたシグナルです。
実際、数日後にはローソク足が移動平均線を割れてしまいます。
「ゴールデンクロスだから買い」と言える条件かというと、そのようには見えません。
- 移動平均線のゴールデンクロスなら買い、デッドクロスなら売りと機械的に考えるのは間違い。
- 過去の都合の良いチャートだけを見ても何の役にも立たない。思惑通りに行かないことを知るべき。
移動平均線が機能しないケースとの向き合い方
ここまでで移動平均線のゴールデンクロスの買い、デッドクロスの売りで負けるケースがあることを紹介しました。
移動平均線が機能しないケースには、どう向き合えば良いでしょうか?
- 移動平均線を使わないで、ボリンジャーバンドを使う
- 移動平均線の日数設定を25日から14日に変更する
- チャートは役に立たないからチャートは見ない
どれが正解だと思いますか…?
実はすべてハズレです。
どれを選択しても、路頭に迷って投資で失敗する選択です。
ボリンジャーバンドも機能しないケースはあります。
移動平均線の日数を変えても、過去の値動きをうまく扱えるようになるだけで将来の値動きを保証するものではありません。
最適な日数を求めてさ迷うきっかけになります。
チャートを見ないでトレードすれば、退場するのは明らかです。
すべてのテクニカル指標には欠点があります。
完璧に機能する移動平均線があれば誰でもお金持ちになれますが、そんな移動平均線はありません。
機能しないケースは勝てないと理解して、すぐに損切りする。
自分が参考にした指標が機能しないパターンと気付いたら、すぐに損切りするのが良いです。
つまり、どういうことか。
移動平均線が機能しないことを判断できるポイントが損切りポイントになるということです。
私の移動平均線の使い方
移動平均線が機能しないことを判断できるポイントを損切りポイントにする。
言葉で書くとよく分かりませんよね。
では、私が実際に使っている移動平均線の手法をもとに紹介していきましょう。
ここで前置きをしておきたいのですが、
私は、移動平均線のクロスは参考程度です。ほとんど使ってません。
その理由は、この移動平均線の手法を読むと良く分かると思います。
ローソク足との関係性を使った売買
私は、ローソク足と移動平均線の位置関係から目標株価、損切り株価を決めて売買します。
- ローソク足が移動平均線を上から下に突き抜けたら、売り
- ローソク足が移動平均線を下から上に突き抜けたら、買い
- 株価が上昇、下落したときに移動平均線にぶつかれば抵抗線、支持線となり、そこで止まる事を考える。
- ただし、抵抗線、支持線を突き抜ければ値動きの勢いは増すので、勢いに乗る。
今回は引き続きファナックのチャートから過去を振り返り説明します。
過去チャートから説明するのは前述の通り後付けなので嫌ですが、説明しやすいので今回そのようにしてます。
(1)移動平均線を越えられないので空売り
矢印で示したローソク足の終値が売りタイミングです。
前日から株価は下落、終値で移動平均線を下回りました。終値で移動平均線を越えられないことから、買いの力が弱いと判断して売りで勝負します。
このタイミングで売りで勝負するメリットはいくつかあります。
- 「移動平均線を越えられない」が売りの根拠なので、移動平均線を損切りの位置にできること
- 損切りの位置が近く、損失を少なくできること
- 19000円割れが期待できることから、損失:利益で見て期待リターンが大きい
(2)移動平均線突破・定着による買い
矢印で示したローソク足の安値付近が買いタイミングです。
前日から株価が上昇して移動平均線を突破していますが、上ヒゲの長いローソク足なので、移動平均線を割れて窓埋めとなる展開も考えられます。上ヒゲの長いローソク足で買うのは、少々リスクがあります。そこで、翌日の強さを見てエントリーします。
翌日に移動平均線付近で買い、損切りは移動平均線を割れた地点です。
終値が始値とほぼ同じであることから、売りを吸収できるだけの買いの力があると判断できるので、終値まで来れば少しの安心感があります。
(3)移動平均線越えられないことに期待した空売り
次は失敗するケースです。20875円を天井に下落して移動平均線を割れました。
移動平均線を割れた翌日は反発して上昇しています。
私なら、日中の移動平均線に接したタイミングで移動平均線を超える力が無いことを期待して空売りします。そして、当日中の移動平均線を越えて高値をつけた辺りで「移動平均線を超える力があったので」損切りします。
移動平均線で空売りして、少し越えた辺りで損切りなので損失はかなり抑えられます。
(4)移動平均線突破による買い
これは一般的にブレイクアウト手法と呼ばれるタイミングでの買いですね。
移動平均線を突破したので勢いがあると判断した買いです。ローソク足の終値が買いタイミングです。
このタイミングで買いとする根拠、メリットとしては
- 数日前に越えられなかった移動平均線を越えていることから、勢いがあると判断できる
- 損切りの位置は移動平均線に設定できることから、損失が少ない
(5)移動平均線を越えられないので空売り
横横の保ち合い相場から移動平均線を割れて下落、矢印のローソク足は移動平均線突破を試みたものの、反発が弱く移動平均線を越えられていません。これも、終値で空売り、損切りは移動平均線、利益確定は長期の75日移動平均線です。
3日後に75日移動平均線に達してます。
移動平均線同士のクロスを使わない理由
先程の「私の移動平均線の投資手法」をご覧になられて、なぜ、私が移動平均線のクロスを使わないか分かるでしょうか。
移動平均線ゴールデンクロス、デッドクロスのシグナルが遅いのはもちろんですが、移動平均線を損切りポイントにできないのが理由です。
移動平均線を損切りラインにすると、オレンジ分の上昇・下落に耐えなければなりません。
移動平均線のクロスだけで買いと売りを行うには、損切り条件があまりにも厳しすぎます。従って、移動平均線のクロスだけで買いと売りタイミングを決めることはできません。
非常に重要なことですが、これを書いてる書籍やネット情報が少なすぎる気がします。
さいごに
自分が都合の良いチャートを並べて紹介してると思われないために、思惑が外れた場合の損切りについても説明しました。
この投資方法から、損失よりも利益が大きくなるように勝負していることが伝われば良いかなと考えてます。
今回の移動平均線の手法が参考になったでしょうか。
他にも、株で勝つために知るべきことは多数あります。
実戦経験ばかりでなく、知識を身につける心がけをしましょう。
こーあいさん、お久しぶりです。
本当に素晴らしい記事だと感じました。
ここまで細かく、言ってみれば「裏側」まで説明している書籍には出会ったことがありません。
私は、それこそ一般的な書籍に書かれている移動平均線の使い方しか知らず、その通りに運用してみた結果失敗した経験があります。やはり何と言っても売買のタイミングが遅くなりますし、損切りポイントの設定が直近安値等になってしまうため、こーあいさんが書かれていたように許容含み損が膨らんでしまう傾向にあり、精神的にきついとも感じていました。
現在色々と迷走中ですが、こーあいさんのテクニックをシミュレーションで活用させて頂きたく思います。いきなりの実践ではなく、まずは練習です!
今後も色々と参考にさせて頂きます。
おはようございます。
コメントありがとうございます。
この移動平均線の手法を裏側と感じてしまうのは、正しい使い方が載ってる書籍が少ないってことですよね。
この手法は1回あたりの利益が損失を上回るので、勝率50%であれば十分プラスです。
勝率50%になるかがポイントなのですが、銘柄やトレンドにより難しい場合があります。
移動平均線に触れたタイミングをエントリーポイント、損切りポイントがその付近なので損切り貧乏になりやすい欠点があります。この辺りは、銘柄のボラティリティを見つつ、使えるか判断することになります。
FXだとノイズが多すぎて勝てない気がします。
なるほど、勉強になります。
となると、値動きが激し過ぎる銘柄は少々リスキーでしょうか。
ある程度なだらかな移動平均線を作る傾向にある銘柄が良さそうですね。
あとは、やはり日中の監視が出来ると強いですよね。
仕事をしているとどうしてもお昼休憩時にしかしっかりとチェック出来なくて・・
逆指値を駆使すれば何とかなりそうですけどね!
> となると、値動きが激し過ぎる銘柄は少々リスキーでしょうか。
> ある程度なだらかな移動平均線を作る傾向にある銘柄が良さそうですね。
そうですね。値動きが激しすぎる銘柄より、穏やかな動きの銘柄の方が移動平均線が機能しやすいかもしれませんね。
でも、値動きが激しい銘柄だと分かっているなら、元々、移動平均線を割る前提で
エントリーポイントを考える手もあります!
この辺りは各銘柄の特徴を抑えつつやれば良いってことです。
お昼休憩にトレードは大変ですね。私も仕事忙しくて最近はデイトレ遠ざかってます。
逆指値で損切りはどうしても損切りポイントが遠くなります。逆指値は非常手段や安全装置として使いたいです。目視の方が間違いなく損失を抑えられますので。
逆指値で損切りするということは、その分投資額を抑えるから、分散投資になるかもしれませんね?
>でも、値動きが激しい銘柄だと分かっているなら、元々、移動平均線を割る前提で
>エントリーポイントを考える手もあります!
なるほどなるほど。
その銘柄の特徴を押さえれば確かに攻略できそうですね!
逆指値に対する考え方ですが、こーあいさんのコメントでガラッと変わりました。
「逆指値は損切りポイントが遠くなる」、確かにおっしゃる通りです。
また一つ勉強になりました。ありがとうございます!
素晴らしい記事ありがとうございます、
この手法は日足のみの手法ですか?
こんばんは。コメントありがとうございます。
株なら日足、5分足ですね。他の足では試してないので良く分かりません。
サイト内には、キャプチャを撮りつつデイトレした記事もあるので良かったらどうぞ。
他のコメントにも書きましたが、FXでは芳しくないですね。
またまだ勉強不足で。日経レバレッジ1570でこの方法使えますか?是非お手本見せて頂きたいですが。頑張りますので教えて下さい。
こんにちは。こーあいです。
> 日経レバレッジ1570でこの方法使えますか?
うーん、考えてみたのですが、個別株にこの手法は使いますが、日経平均指数にこの手法をあまり使ったことがありません。
なぜ使ったことがないのか考えてみたら、以前のコメントでも書いているのですが、
「値動きが激しすぎる銘柄より、穏やかな動きの銘柄の方が移動平均線が機能しやすい(日経平均は少し激しい感じがします。。)」ということと
あとは「個別株と指数の違い」かもしれません。
日経平均指数は、「日経平均採用銘柄の株価の平均値」です。値動きがもう少しざっくりとしてる気がします。
コメントだと長くなってしまうので、私が日経平均指数をどうやって売買しているか、メールでご連絡させて頂きますね。
あと、メルマガでこういう情報を流すことがあるので宜しかったらご登録ください!
こーあいさん
私は6ケ月で150万の損失を出し(私の自由になる資金の三分の一です)もうこりごりと思っていましたが、チャンスがあればまたやり直そうと思います。株は博打ですね、、、