株式投資において、PERで割安株を探して投資する。という考えがあります。
株を安く買って高く売ることで利益が出ますから、
割安株に投資することは非常に利に適っていると言えるでしょう。
しかし、PERを盲目的に拘ると失敗する場合があります。
今回はPERでありがちな失敗について書いていきます。
割安を測る指標 PER(株価収益率)
PERはかなり有名な指標ですが、一度おさらいをしておきましょう。
PERが低いということは、
利益を多く出している割に時価総額が低い(株価が低い)ことを表しています。
時価総額÷純利益、もしくは、株価÷一株当たり利益(EPS)で算出される。
例えば、株価が500円で、一株当たり利益が50円ならば、PERは10倍である。
野村證券 | PER(証券用語解説集)
PERは何倍が割安なのか
PERという指標を知ると、多くの方が何倍が割安なのかと考えます。
書籍によっては15倍以下が割安と書かれていますが、これはかなり乱暴です。
実際は業界ごとに大きく異なります。
同業他社で比較すべきです。
例えば、私が投資したことのある株を振り返ると、本当に様々なことが分かります。
- 地方のマンションディベロッパ PER 5倍
- 地方の都市ガス PER7倍
- 自動車部品会社 PER13倍
- 某情報・通信系企業 PER27倍
- 某ファーストフード店 PER67倍
割安株を買って何年も経ったが株価が上がらない
先程の株をPERだけで測り、次のように考えると失敗します。
株価が3倍になってもPER15倍だ。
見直されて人気が出れば、株価は3倍、4倍にも上がる。
私が、地方のマンションディベロッパに投資したのは2,3年前ですが
現在も株価は変わらず、PERも変わりません。
他の株も同様です。
PER7倍の地方都市ガスの株価は2倍にはなりませんし、
某ファーストフード店の株価は5分の1にはなっていません。
PER 15倍を物差しとすることにほとんど意味が無いことが分かります。
株価には理由がある
PERが低い=割安という考えは改めるべきです。
PERが低い理由としては、下記のようにいくつかありますが
あえてその銘柄に投資したいと思うだけの人気がないからです。
- 事業内容から大きな成長が見込めない。
- 将来への懸念がある。
例えば、地方の都市ガスの今後数年の売り上げや利益はだいたい想像できますよね?
今後数年を経ても激しい競争はなく、シェアもそこまで変わらないでしょう。
また、マンションディベロッパはお金を借りてマンションを建てるという
事業構造のため、リスクが高いビジネスです。
マンションは景気が良いときは買われますが、景気が悪くなると
途端に売れなくなりますから、投資にもリスクがあると考えて良いでしょう。
高成長が期待できる等の理由で人気がある株は、PERが高くなります。
PERが高くても買いたい人が居るから、その株価で落ち着いています。
将来的な成長が見込める銘柄を安く買う
PERが高くて割高だから買えないという方も居ます。
しかし、繰り返しとなりますが
PER15倍という物差しだけで測るのは間違いです。
大切なことは、「将来的な成長が見込める銘柄を安く買う」
株価が安いか高いかは市場が決めることです。
成長が見込めるのであれば、今のPERが高くても、それは割安と言えます。
PER15倍の物差しで測ると成長が見込める銘柄を安く買うことができず
チャンスを逃すことになります。
以上
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