DMIの使い方

テクニカル分析で使う指標 DMIについて説明していきます。

DMIとは

オシレータ系のテクニカル指標の1つです。RSIの欠点を補う目的でRSIの開発者 ワイルダー氏が新たに開発した指標です。DMIはトレンドの強さを測ることができます。RSIのように強いトレンドでうまく機能しないテクニカル指標と組み合わせると良いでしょう。

DMIは3つの指数から構成されています。

  • +DI
    上昇トレンドを表す指数

  • -DI
    下降トレンドを表す指数

  • ADX
    相場の方向性・強さを表す指数

個人的にはADXが一番重宝する指標ですね。

計算式

DMIはかなり計算が複雑でので、マネパから引用させて頂きました。

(1)方向性(DM: Directional Movementディレクショナル・ムーブメント)の分析
・前日と当日の変動幅(上昇幅・下落幅)を比較して方向性(DM)を分析します。
・+DM(上昇幅)と-DM(下落幅)を比較して、大きい方をカウントし、小さい方は「ゼロ」にします。

+DM(plus DM)=当日の高値-前日の高値(上昇幅:上昇方向の増加分⇒上昇の強さ)
-DM(minus DM)=前日の安値-当日の安値(下落幅:下落方向の増加分⇒下落の強さ)

+DM<0なら+DM=0当日の高値が前日の高値を上回っていない場合
-DM<0なら-DM=0前日の安値が当日の安値を上回っていない場合
+DM>-DMなら-DM=0+DM(上昇幅)が-DM(下落幅)を上回っていれば、-DM(下落幅)は0
-DM>+DMなら+DM=0?DM(下落幅)が+DM(上昇幅)を上回っていれば、+DM(上昇幅)は0

(2)実質変動幅(TR:True Rangeトゥルー・レンジ)の計算
・実質変動幅とは、変動幅の増加分であり、AかBの大きい方、AかCの大きい方です。
A:当日の高値-当日の安値
B:当日の高値-前日の終値
C:前日の終値-当日の安値

(3)方向性指標(DI:Direction Indicatorディレクショナル・インディケーター)の計算
・方向性(DM)を実質変動幅(TR)で割ることで、方向性指標を計算します。
(期間は、ワイルダーは14日間を採用しています。)

+DI=(14日間の+DMの合計)÷(14日間のTRの合計)×100%⇒上昇の強さ
-DI=(14日間の-DMの合計)÷(14日間のTRの合計)×100%⇒下落の強さ

(4)方向性指数(DX Directional Movement Index)の計算
・方向性の強さを示す+DIと-DIの差の絶対値を、方向性を持っていた比率{+DI+(-DI)}で割り、指数化することで、トレンドの強弱を認識できるようにします。
・DXは、上昇・下落に関わらず、トレンドが強くなれば増加し、弱くなれば、減少します。
・DXが反転する時は、トレンドが反転する可能性が高いことを示唆します。

DX = {+DI – (-DI)} ÷ {+DI + (-DI)}

(5)ADX(Average Directional Movement Index):DXの指数平滑移動平均線(EMA)
・ディレクショナル・ライン(+DIと-DI)の差
・トレンドが強く、継続する場合⇒2本線の差は拡大⇒ADXは上昇
・トレンドが弱く、反転するかレンジ相場に移行する場合⇒2本線の差は縮小⇒ADXは下落
DMI (方向性指数)・ADX | FX・証券取引のマネーパートナーズ

DMI・ADXの見方・手法

ADXを使って相場が横ばいか上昇・下降トレンドか判断します。

  • ADX 25以上の場合、上昇・下降トレンド
  • ADX 25未満の場合、横ばいトレンド

ADXが上昇しているときはトレンド継続を表し、下降してきたらトレンドが終わって横ばいとなってきたことが分かります。

買いポイント
+DIが-DIを上抜けたとき

売りポイント
-DIが+DIを上抜けたとき

チャートの売買ポイントが発生している箇所に丸をつけています。

見ると分かりますが、+DIと-DIがクロスするタイミングは若干遅いですね。
上昇・下降してある程度してから+DIと-DIがクロスして売買ポイントになります。

+DIと-DIのクロスを使う場合には少し遅いということを理解しておくと良いですね。

ADXでトレンドを確認して、今回ご紹介したDMIや、RSIやストキャスティクスなどのテクニカル指標で売買タイミングを決めるのが良いでしょう。

以上


コメントを残す